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沈黙

By: エドガー・アラン・ポー
Narrated by: 景浦 大輔
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Summary

旅役者の両親のもとに次男として生まれたエドガー・アラン・ポー。早くに父親の失踪、母親の病死を経験して孤児となり、リッチモンドの裕福なたばこ商人に引き取られました。
その商人の名前がジョン=アランだったため、ポーの名前に「アラン」が入っています。そのアラン家で、特に養母に可愛がられて育ったポー。

しかし、大学に入学した頃から養父との仲が悪くなり、不真面目な大学生活を送っていたこともあり、養父から退学を命じられてしまいます。

その後、陸軍に入隊したり士官学校に行ったりと落ち着かない生活が続く中で、養母が病死し、養父が再婚。それを機にアラン家と離別したポーは、まだ13歳だった従妹と結婚し、生活のために雑誌編集の仕事に就きました。
それでも給料が安かったために、懸賞小説に応募して賞金稼ぎをしていたこともありました。

40年という短い生涯でしたが、ポーが残した作品は、詩や小説のほか評論、戯曲と多岐に渡っています。推理小説については、のちの推理作家たちが、ポーの作品からヒントを得て創作しているという点で、いかに優れた作品を残したかがうかがえます。


「おれの言うことを聴け」と鬼神はその手を予の頭にかけて言った。「おれの話すのはザイーレ河2のほとり、リビア3の荒涼たる地域のことだ。そこには平穏もなければ、沈黙もない。
河の水はサフラン色の病んだ色をしている。そして海の方へ流れずに、永久に永久に太陽の赤い眼の下で騒々しく痙攣するように波うっている。どろどろした河床の両側には幾マイルとなく、巨大な睡蓮の蒼白い荒野がある。睡蓮はその淋しいところで互いに溜息をつきあい、長いものすごい頸を天の方へのばし、永劫の頭をあちこちとうなずかせている。そして地下を走る水のようにがやがやした囁きがその間から聞えてくる。彼らは互いに溜息をつきあうのだ。
しかし睡蓮の領域には境界がある、――暗い、恐ろしい、高い森の境界だ。そこでは、ヘブリディーズ4あたりの波のように、低い下生が絶えずざわめいている。しかし天には少しの風もない……
©2022 PanRolling
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