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鉄仮面

By: フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ
Narrated by: バートラム, 日和 みか子
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Summary

ある真っ暗な夜、フランスの国境にある、ベロームという砦に近い川を、こっそりわたろうとしている勇士たちがいた。人数は15人。かれらはフランス国民を苦しめる宰相ルーボアをたおし、自由と幸せを取りもどすため立ち上がった勇士たちだった。
先頭の馬に乗っていたモーリス隊長は、味方のみんなにこう言った。「この川さえ乗り切れば、フランスの首都であるパリはわれらのものだ!前の王様をたおした悪人、ルーボアを生けどりにするぞ!」
しかし、モーリス隊長の妻ヴァンダは不安を感じていた。部隊の後方を守るオリビア大尉が自分たちを裏切り、敵側と通じているのではないかと思っていたからだ。
案の定、ヴァンダの予想は的中し、敵の待ち伏せにあってしまった。モーリスは馬からうち落され、仲間の勇士たちも次々に馬から落ち、はげしい川の流れにさらわれていく。

夜が明けた。川の中に何かをドボン、ドボンと投げ入れる音がひびき、おどろいたヴァンダが目を覚ました。死体を川に投げこんだ音らしい……。それは仲間の死体だと気づいたヴァンダは、くちびるをかみしめた。

ヴァンダはふらつく足に力を入れながら、敵の砦の中へ忍び込んだ。砦の奥へ進んで行くと、砦長とルーボアの部下との会話が聞こえてきた。ルーボアの部下は言う。「つかまえた男を連れて来い。鉄仮面の具合を見てやろう」


目次
1 魔(ま)のふちの勇士たち
2 仮面の正体は、だれ?
3 なぞに包まれた美しい女、ラバイシン
4 おそろしいかいぶつとの出会い
5 塔の上から落ちた男
6 かいぶつ黒ずきんの登場
7 かくれ家のそうどう
8 「あなたはだれ?名前を教えて」
9 一人の勇士の最後
10 ルーボア宰相のなぞの死
11 死体をほり起こす
12 死から返ってきた男
13 鉄仮面とのさいかい

ボアゴベー
1821年生誕。フランスの大衆小説家。 代表作は「執念」(1871年)、「鉄仮面」(1878年)「片手美人」(1880年)など。1891年没。
©2023 PanRolling
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