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  • 【小学館の名作文芸朗読】 ある娯楽街の映画殿堂では夜の部が始まり、観客席は満員。正面入り口で案内係の少女達がおしゃべりに夢中になっていると、突然、女が駆け込んできた。鬢はほつれ、眼は血走り、全身はふるえている。訳を訊ねると、子供が急病で苦しんでいて、恋人と一緒に来ている夫を連れ帰りたいから呼び出してくれと言う。しかし、女は名誉のために名前は明かさない。すると、ある少女が一計をめぐらせる。
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