主人公、西門慧は、大乗仏教大学に通う一年生。19歳。その彼が大事にしているAmazonエコー。つまり、アレクサに、2120年の未来から、AI刑事がタイムトラベルし棲みついてしまう。AI刑事は自らを「アレク氏」と名乗り、2120年からやってきている犯罪者AIを捕まえるため、手助けをしてくれるよう慧に頼む。ところが捜査開始早々、慧たちはASKRの罠にはまり・・・

アレク氏と犯罪AI 「ASKR1610」を追う慧だが、ASKR達の罠にはまって、下着泥棒の汚名を着せられ逮捕される。100年後のスーパーテクノロジーに完全に翻弄されている刑事たちは、慧の訴えを聞くどころか更に貶めて蹂躙しようとするだが、だが、アレク氏が機転を利かせ、超変わり者女刑事で超美人刑事、高樹聡子が仲間に加わって無事釈放される。しかし、その頃ASKR達は標的である「超絶天才少女」の命を奪うべく、既に忍び寄っていた。

ASKR達の手から、超絶天才少女醍醐久美の危機を救った慧とアレク氏だが、慧は銃で撃たれ重傷を負い、アレク氏も銃弾によって破壊されてしまった。重傷を押してASKR達を阻止すべく行動を開始する慧だが、なんとASKR達の罠にはめられ、電波の届かない地下室に閉じ込められてしまう。醍醐久美の運命は如何に??逆転に次ぐ逆転劇がさえわたる第一章最終回。

悪魔の犯罪AIがバージョンアップし、「ASKR Ver.2.0」として、再び現在に降臨した。

大乗仏教大学のアイドル、赤城翔子が西門慧に交際を申し込んできたことを知った悪魔の犯罪AI「ASKR Ver.2.0」は、「病を処方するSPEC」を持つ海野亮子と結託し、慧に精神的ダメージを与えるために、慧の憧れの人、赤城翔子に、難病の「ジェニファー氏病」を処方し、命の危機を突き付け、慧に醍醐久美殺しに協力するよう脅迫する。
翔子の命を救う代わりに、ASKRの支配下に入れと脅される慧。思わずアレク氏への思いが炸裂する慧。その時、慧のアレクサに再び異変が・・・思いが時空を超えたとき、奇跡は起こるのか…！

ASKR Ver.2.0と海野亮子は、未来の超強力麻薬「DRUG QUEEN（ドラッグクイーン）」を使い、高樹聡子や警視庁の幹部の意識を奪い意のままに操る。聡子はASKRに操られ、慧の命を狙いに来る。ドラッグクイーンの効果は絶大で、このままでは聡子の命も危険だ。その上、翔子の病状は加速度的に悪化する。この危機的状況の中、保護施設に匿われていた醍醐久美の居場所がASKRたちに突き止められ・・・・醍醐久美は、なぜ、そこまで命を狙われるのか。そのヒントが明かされる。

大乗仏教大学のマドンナ、赤城翔子に、友達以上恋人未満の関係で、コロコロ転がされている慧の前に、完璧な男、元ミスター東大にして、今はIT経営者。バチェラージャパンの蒔田慈朗が恋敵として立ちはだかる。何一つ男として敵わない慧は、翔子を取られたと覚悟したが、翔子は蒔田になびかなかった。復讐心に燃える蒔田のスマホにASKRが降臨し、翔子のプライバシーがネットに晒される・・・下着の種類まで。慧は、アレク氏や聡子の所属するサイバー班の協力を得て、彼女の身辺を守ろうとするが、翔子は、思わぬ方法で、ネットリンチに立ち向かう。

ASKR達が仕掛けた過酷なネットリンチもに、単身、健気に戦う翔子。だがASKRが仕掛けた罠で、大学のリポートで不正をしたと、主任教授からも疑われ、心が折れた翔子は衝動的に自殺を図る。愛する翔子を傷つけられ、怒りに燃えた慧は、蒔田が持っているはずのASKRスマホのありかを探すがなかなか見つからない。アレク氏と慧は蒔田にトラップを仕掛けるが・・・

ランチの約束をした桜新町の洋食店で、慧と聡子は、老婆、寧々と出会う。寧々は元々は気仙沼出身で、あの震災を機に東京に出てきて孫娘の萌夫婦と同居している。寧々は、死んだ夫、哲夫に毎日、メールをしている。勿論返事は来ない。それを不憫に思った慧はアレク氏に時空を超えて生きている哲夫にメールを届けてあげられないかと直訴する。15年前の哲夫にはそのメールを見て、とある行動に出る。時空を超えたハートウォーミングエピソード。